オステオパシーってどんな治療？

　オステオパシーという治療はまだ日本ではあまり多く知られていない治療法です。しかし欧米諸国ではスタンダードな治療法であり、西洋医学や東洋医学があるのと同じように、オステオパシー医学というひとつの医療体系があります。

西洋医学では症状のある所を検査しますが、オステオパシーでは身体全体がひとつのユニットとして機能していると考えています。なぜなら身体は頭からつま先まで、膜という組織に包み込まれて、骨では骨膜、筋肉なら筋膜、心臓なら心膜といったように途切れることなく繋がっているからです。

　オステオパシーは1874年にアメリカ人の医師であるアンドリュー・テイラー・スティル先生によって創始されました。スティル先生は病気になる人とならない人の違いに疑問を抱き、本来体に備わっている自然治癒力を最優先する治療法の研究を始めました。そして、どんな病気や症状を持った人にも必ず筋骨格系、循環系、神経系の異常が原因となっているのではないかと考え、手技を施すことでそれが解決するということを確信しました。そしてその方法にギリシャ語で「骨」を意味する「Osteon」と「病む」を意味する「Pathos」からOsteopathy（オステオパシー）と名付けました。

はじめの頃はその理論を認める人はほとんどいませんでしたが、やがて彼の治療を求め全米から患者が集まり、ホテルやレストランができるまでになったのです。

　1892年にはカークスビル・オステオパシー医科大学も設立されました。現在オステオパシーはアメリカでは医学として公認されており、医師として全ての医療行為が許されています。