オステオパシーメカニカルリンクとは

オステオパシーには多くの診断方法や手技があり、その中でも保険外治療で当院が使用している治療方法はメカニカルリンクオステオパシー(以下LMO)というものです。この手技に関してはフランスのオステオパスであるポールショフール先生が研究・開発されたオステオパシーの治療体系です。LMOの最大の魅力は大きくまとめると次の4つです。

⓵脊柱・骨盤帯・胸郭・四肢の関節・骨・自律神経・末梢神経・内臓・血管・頭蓋を含む400箇所に及ぶ触診検査を実施し、全身を丁寧に調べることで症状を引き起こしている根本的な原因を見つけ出すことが出来ます。

②非常にソフトな手技ですので乳児から高齢者、妊婦さんにまで安心して施術を受けてもらうことが出来、副作用や身体への負担も少ないです。

③一回の治療費は少し高額かもしれませんが、自然治癒力を高めて根本的な原因を解決することを理念としていますので、2~4週間に一回の治療間隔でも効果が持続します。

④LMOはオステオパシーの創始者ATスティルの基本原則を深め今日、世界中で教えられており、日々進化し続けている治療法です。

みなさんは筋膜という言葉を一回はメディアなどで耳にしたことはあるのではないでしょうか?

しかし筋膜というと、筋肉の表面を覆う膜ですが、オステオパシーでいう「膜」は筋肉だけでなく、神経、血管、臓器、骨などすべての組織を包み込み、身体全体を繋ぐ接着剤のような存在です。

そして膜で包み込まれた組織と組織の間には空間が出来ます。例えば、「骨と骨の間」や「骨と筋肉の間」、「筋繊維と筋繊維の間」etcなどです。
この空間に対応するのが、中医学(東洋医学)の経絡です。

広い意味での経絡は、「筋繊維」のような身体の中の空間だけではなく、身体の外の空間にも経絡があります。その例として、身体の1番表面上にある皮膚は、汗を出すために表面に穴がいっぱいあって空間となり、ここにも経絡があります。

そしてこの空間が様々な原因によって、狭くなったり、捻れたり、詰まったり、変形したりすると、この空間を通る「気」、「血」、「水」の流れが悪くなり、身体のさまざまな機能が低下し、健康状態に異常が出ます。

では、この空間=経絡と考えますが、具体的にこの空間とは一体何なのか?ということについては後日書いてみたいと思います。

余談ですが、経絡とツボは同意語ではありません。わかりやすく言うと、経絡は電車の路線、例えると大阪環状線であり、ツボはその路線上の駅、例えると「天王寺駅」と考えてもらえればいいと思います。

要するに、ファシア(膜)が中医学の経絡と密接な関係にあると思います。



前回は陰陽説についてのお話でした。中医学(東洋医学)では、陰陽は物事を二分化する理論に、宇宙は5つの元素(木・火・土・金・水)から出来ているという説を加えて、陰陽五行説を唱えました。

前回お話したように、中医学の特徴は人と自然を統一体として捉え、自然、社会、人間の体の状態のあらゆるものが、五行の循環法則に従って変化するといいます。

木→火→土→金→水のこの順番で考えていくと、

「木」と「木」がこすれ合って「火」が生じ、「火」が燃え尽きると「土」が出来、「土」の中から「金」属が生じ、「金」属は溶けると「水」に戻り、「水」を与えると「木」は成長する、といったように一周してこのサイクルを繰り返します。

この5つの要素それぞれが「生む、生まれる」の関係にある考えを「五行相生説」といいます。

さらにこの「相生説」に対し、「相克説」があり、

「水」は「火」を消し、「火」は「金」属を溶かし、「金」属は「木」を切り倒し、「木」は「土」から養分を吸い取りますが、「土」は「水」をせき止めることが出来ます。あるものが別のものを抑制するということです。

この五行に五臓六腑を当てはめるわけです。

木が「肝、胆(胆嚢)」、火が「心、小腸」、土が「脾、胃」、金が「肺、大腸」、水が「腎、膀胱」という具合です。

一例をあげると、木生火(木と木がこすれて火が生じる)なので、肝(木)は心(火)を生む。これは肝(肝臓)が貯蔵している血が心(心臓)を養うという意味です。これは「相生」です。


「相克」の例をあげると、水克火(水は火を消す)なので、腎(水)は心(火)を抑制する。これは腎(腎臓)が心(心臓)の熱を抑制するということです。


ただ五臓六腑の関係や症状、治療などがすべてが五行説で解決するということではないとも言われています。

少し理解困難な内容かもしれませんが、こういう考えもあるという感じで捉えてもらえればと思います。



今回は中医学(東洋医学)の「陰」と「陽」についてお話します。

中医学の大きな特徴は人と自然を統一体として捉えることにあり、大きな統一体を宇宙と考えると、人間も自然も宇宙を構成する1つの要素になります。


人体内部の組織も1つ1つ独立しているわけではなく、連絡しあい影響しあって有機的な統一体となっています。


統一体における変化を表現するものの1つに「陰」と「陽」の概念があります。
陰に関係するワードを例にしてあげてみると、
闇、暗、夜、冬、寒い、女、地、内、etc..などがあり、
対する陽は
光、明、昼、夏、暑い、男、天、外、etc..なとが挙げられます。
陰は、暗い、冷たい、静かという性質で、
陽は、明るい、暑い、活動的という性質です。

陰と陽はどちらも変化しながら役割を交代し、陽の勢いが極まれば陽を抑制するように陰が強くなり始め、陽が弱まれば陰が強くなる、陰が極まれば陽の勢いが強くなり始めます。

例えば、夏が近づけば、体の中の陽が強くなりすぎないように発汗しやすくなり、冬が近づけば汗腺が閉じて内部のエネルギーを外に逃がさないようにして、陽が弱くなりすぎないようにします。
このようにどちらか一方(陰や陽)に偏りすぎないように、体はバランスをとっています。
しかし、短期間で気温が大きく変動したり、冷夏や暖冬のような体が予測できない異常な環境になった時には、体の陰陽の調節が間に合いません。
このような時に体は病気になります。

西洋医学では副交感神経、交感神経と表現しますね。副交感神経が「陰」に対応し、交感神経が「陽」に対応します。
当院はフランスで発祥され、解剖生理学、発生学を元に開発された「オステオパシーメカニカルリンク」という治療法を軸に行い、状況によっては中医学の概念も取り入れた鍼灸治療を行い、体のバランスを調整します。
原因がよくわからない痛みなど、何でもご相談下さい!







今回は五臓の最後、脾臓についてお話しします。脾臓は一般的にはあまり馴染みのない臓器かもしれませんし、働きもよく知られていないと思います。

西洋医学からみた脾臓の機能は老化した赤血球を破壊、除去し、また血小板(血液を凝固する作用があるもの)の貯蔵庫としての働きもあります。通常、脾臓は全血小板数の約3分の1を貯蔵しており、必要に応じてこれを放出します。また、脾臓内にはリンパ球が沢山あり、体内で最大のリンパ器官とも考えられています。このため、免疫機能とも深い関係があります。

対する中医学(東洋医学)では脾臓は、

①統血

②昇清

③運化

という3つの主な働きがあります。

①統血は西洋医学とほぼ同じ働きで、血が漏れないように引き締める働きです。

②昇清は持ち上げる機能のことです。この機能のおかげで内臓が持ち上げられて安定していると考えられています。この機能が落ちると胃下垂や脱肛、慢性の下痢などが起こりやすいと言われています。

③運化は消化・吸収・全身への輸送機能のこと。

中医学(東洋医学)では脾・胃をセットして考え、

「消化」という言葉は、消=胃、化=脾という概念があります。つまり、胃が食物を消化し、脾が消化、吸収された水分や体にとって大事な栄養素を体の隅々まで運化(運ぶ)するというわけです。なので、この働きが弱くなると体の様々な所に不調が出るのは想像しやすいと思います。

また、中医学では「腎」を先天の精(生まれつき備わった生命力ようなもの)、それに対して「脾」を後天の精と名付けています。後天の精とは脾や胃で作り出された栄養分が全身に行き渡り、腎に蓄えられます。要するに、もともと先天の精が弱くても、食養生に気を付ければ、健康は保たれ、先天の精を補うことが出来るということです。このことから中医学ではかなり「脾胃」を重要視していることが伺えます。

当院の治療法でもあるオステオパシーメカニカルリンクの触診検査でも、脾臓に関するツボと対応する場所が沢山あります。その一つに「伏在神経」という足の内側に走っている神経があり、足の甲側の第一中足骨の内側にある「公孫」というツボです。ここを治療することで脾臓の機能を高めることが期待されます。お腹の不調(下痢など)がある場合、ここの皮膚が突っ張っていたり、腫れぼったくなっているように個人的に思います。

以上で西洋・東洋から見た五臓(肝・心・脾・肺・腎)の概念の違いをお伝えしました。

見比べてみると、西洋と東洋で共通の概念もあれば違う概念もあり非常に興味深いものだと思います。特に東洋の「脾」の概念は興味深いものでした!

次回は皆さん一度は耳にしたことがある「陰」と「陽」についてのお話にしたいと思います!


今回は肝臓を中医学(東洋医学)から見ていきます。

前回、心臓は「国王」のような存在であるとお話しましたが、肝臓は「将軍」として位置づけられ、精神的に発揚的、積極的な気をもちあらゆる病邪と争う力があるのでこの名前が付けられたそうです。特徴をあげていくと

①血を貯蔵する

これは西洋医学と同じ役割で休息時、肝臓は我々の血液の約10~15%を含みますが、激しい運動や出血など刺激されると、肝臓は収縮し、大量の血液を循環系に放出します。

心臓から肝臓自体への血液供給に加え、消化器系全体の血液が肝臓に流れます。

②筋を制御する

肝は筋や爪、目とも深い関わりがあると言われています。筋(腱・靭帯・筋膜)は肝の血から栄養をもらっているため、蔵血機能が失調して血が足りなくなると、しびれや震えが出ます。血不足のままスポーツをすると、筋が弱っているので怪我をしやすくなります。爪にも異常が出やすく、変形したりスジが出来たりします。目を酷使すると肝の血を多く使うと考えられています。血が足りないと目に栄養を回せないので、目がかすんだり視力が落ちたりします。

③疏泄機能がある

疏泄(そせつ)とは気・血・津液(体液)の動きを調整することを言います。肝は「木」の性質を持ち、木というのは上下にのびのびと伸びていきます。この事を「条達作用」といい、これは肝の臓の持つ、自由に伸びようとする、あるいは外へ発散しようとする性質を表したものであると言われています。

従ってこれらが出来ないと(例えば精神的圧迫等によって)肝の臓を傷る事になり、肝の疏泄障害を起こし、様々な病症を生じていくことになります。特に怒りの感情は肝の臓と深くリンクします。

まだまだ特徴はありますがざっと大きくはこんな感じです。

当院の治療法でもあるオステオパシーメカニカルリンクの触診検査にも肝臓のツボに対応する所があります。「深腓骨神経」という場所で、足の甲側で親指と第2趾の間を足首に向かって押し上げていくと、骨に当たってとまるくぼみがあります。ここは中医学では「太衝」といわれるツボです。ここを刺激すると肝臓の機能を高める効果が期待できます。

ストレスが多い人はここを押さえると痛い人が多いように思います。

次回は五臓の最後になる「脾臓」について書きたいと思います!





今回は肝臓です。いつものように西洋医学と中医学(東洋医学)の見解の違いから見ていきます。現在、西洋医学で言われている肝臓の機能を大きく4つに分類します。

①腸が吸収した栄養分を体に必要な物質に作り変える工場としての役割をもち、 その際に蛋白質、糖質、脂質などのエネルギーの合成や分解を行い、エネルギーを必要に応じて送り出し、過剰なエネルギー分は形を変えて再び貯蔵しておきます。

②脂肪分の消化、吸収を助ける「胆汁」という消化液を分泌し、胆のうに貯えます。 貯えられた胆汁は脂肪分を含んだ食事などが十二指腸に到達すると、十二指腸内に分泌される仕組みになっています。

③体外から入ってきた毒素や体内でできた有害な物質を代謝分解して、無害なものに変え体外へ排出させます。

④各種ホルモン(副腎皮質ホルモンや性腺のステロイドホルモンなど)を代謝し、血中濃度の調節に関わります。 肝臓は過剰なホルモンを代謝し、不足しているホルモンの分泌を促し、適正なホルモン濃度が体内で維持されるよう、調節しています。

また最近では金沢大学 医薬保健研究域医学系の金子 周一 教授、篁 俊成 教授および御簾 博文 准教授らは、肝臓から分泌されるホルモンである「ヘパトカイン」のひとつが、骨格筋に作用することで、運動を行っても、その効果を無効にする「運動抵抗性」という病態を起こしていることを発見したそうです。詳しく知りたい方は「ヘパトカイン」で検索してみて下さい。

中医学(東洋医学)からみた肝臓は次回のお話にさせて頂きます!


今回は心臓です。いつものように西洋医学と中医学(東洋医学)との比較です。

西洋、中医学共に血液を循環させるポンプ作用というのは間違いないです。

発生学的に、心臓は単純な筋性の筒から4つの複雑な部屋へと進化していくと言われています。

中医学では心臓を精神的な役割の大部分を占めると位置づけ、人間の身体をひとつの国とすれば、国王のようなものと表現しています。

また心は中医学では「火」に例えられています。

え????だと思いますが、これを説明するとすごく大変ですのでここは少し飲み込んで下さい(笑)

それに対して、腎は「水」に例えられています。

女性の方に多いですが更年期になると上半身が暑く、下半身がよく冷える方が多いですよね。

西洋医学ではこのような症状は単に身体の自覚症状としか考えられていないかもしれません。

中医学では心臓は陽気が強い臓器だといいます。陽気についてはまた今後詳しく説明させて頂きます。「火」が強すぎるあまり、腎の「水」が「火」を消すことが出来なくなり、また腎は精気に関係すると言われており、加齢により精気は衰えてくるので、腎が心を制御出来ない状態になります。

これを「心腎不交」といいます。ただ、心と腎の問題だけではなく、もっと身体の構造は複雑ですので、他にも必ず原因があると思われます。

当院のオステオパシーメカニカルリンクの触診検査の場所でも心臓に関係するツボと一致した所があります。手のひらを上にして、小指から手首の方に向かっていくと、手首を曲げる所に豆の形をした骨があり、その際に尺骨神経という神経があります。

ここは「神門」というツボに対応し、中医学では重要なツボとして紹介されています。このツボを手技にて治療することで心臓の働きを調整させることが期待できます。

当院のオステオパシーメカニカルリンクは腰痛や肩こりといった筋骨格系の痛みだけでなく、胃腸のトラブルなどの内科的疾患や、不定愁訴(なんとなく体調が悪いという主観的な多岐にわたる自覚症状の訴えがあるものの、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態)などの症状にも対応させて頂いています。

必ず触診検査にて、症状にとらわれず原因にアプローチして、身体全体のバランスを整え症状の改善に努めます。

今回は肺について、西洋医学と中医学(東洋医学)の概念の違いを見ていきたいと思います。
西洋医学での肺の発生は咽頭(鼻の後方から始まり、気管と食道の最上部分で終わるところ)から、肺の溝が現れ、細気管支を形成し、数100個の肺胞ができ最終的に3億個までになると言われています。
そして肺の働きは皆様ご存知の通り、空気中の酸素を体に取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を外に出す働きをしています。
中医学の最古の医学書「黄帝内経」には、肺を「天幕」といい、地球を取り巻く大気層のような存在だと書かれています。大気層は地球にとってどういう存在かというと、地球の水や熱を外に逃げないように保温、保湿を行なっています。
太陽の熱は非常に強く、大気層がなく熱がそのまま地球に到達すると我々は火傷し、水も無くなってしまいます。そうならない為に大気層が緩衝剤として働いています。
我々の身体の中でも同じ役割をしているのが皮膚です。中医学では皮膚は特に肺と強い繋がりがあると考えており、皮膚は外からの邪気(冷熱など)から身体を守ったり、体温の一定のレベルに保つ(保温)、体内の水分の蒸発を防ぐ(保湿)などの役割があります。肺機能が弱ると、アトピー、湿疹、かゆみ、乾燥肌などの症状が多く現れます。
 
当院の治療法であるオステオパシーメカニカルリンクの触診検査の場所でも、肺の経絡と対応する場所があります。
手のひらを上にした状態で、肘を曲げた時にできる肘のシワの外側に神経があります。ここは「尺沢」というツボに対応し、ここを治療すると肺の働きを高める効果が期待出来ます。
当院のメカニカルリンクオステオパシーは症状にとらわれず、必ず触診検査を実施し、その触診検査から得られた情報をもとに、治療を進めていきます。
そして手技にて身体全体のバランスを整え、症状の改善に努めます。

前回のお話の中で中医学(東洋医学)では、腎臓には蔵精・主水・納気という働きがあることをお伝えしました。その中で『蔵精』についてもう少しだけお伝えします。

蔵精は腎が精を貯蔵することで、腎精からは『髄』が生じます。髄とは骨髄・脊髄などを指し、骨や脳と関連があります。

髄の本来の意味は「物事の最も重要な所、中心」であり、骨にある重要なエキスと考えて下さい。

骨は髄(エキス)によって養われ、髄(エキス)が海のように溢れたものを脳といい、脳の別名を髄海(ずいかい)といいます。

すなわち腎精が充実していると脳は栄養を充分に受ける事が出来て、脳の機能が正常になり、逆に腎精が不足すると脳の機能は低下してしまい、物忘れや認知症が生じる様になります。

また、発生学からみても泌尿器系(腎臓と膀胱)と生殖器系は尿生殖堤というものから分化するということが言われているので、腎臓は精や骨と関わりが深いことが考えられます。

高齢者の方で骨粗しょう症になっている人は腎機能が低下していることも多いのではないでしょうか。

当院では約400箇所の身体の部位を触診検査で施術にあたる、メカニカルリンクオステオパシーという治療を行っていますが、この治療はツボに一致した場所が多くあり、一例を挙げますと、

「脛骨神経」と言うふくらはぎから足底まで走っている神経は「湧泉」と言うツボと一致し、腎臓の経絡の一部です。ここを治療し腎臓の機能を高めてあげることが出来ます。

当院では症状にとらわれず、触診検査を行い手技にて身体のバランスを整え、症状の改善に努めます。

身体の不調でお困りの方は是非当院にご相談下さい





こんにちは!今日は腎臓の構造について西洋医学的な視点からと東洋医学的な視点から比較して書きたいと思います。まず西洋医学的な視点から。腎臓の構造と働きは

1)血液中の老廃物を取り除いて尿を生成し、体液の恒常性を維持する。

体液というのは生物の体内を満たしているもの全般を指し、尿や汗、唾液など体内外に排出される様々な液体も体液に分類されます。

2)ホルモン(エリスロポエチン、レニンなど)の産生・分泌

あくまでざっくりですが説明するとこんな感じです。

対する東洋医学では

『蔵精』・『主水』・『納気』という3つの働きがあり、

 ●蔵精は腎が精を貯蔵し、腎が変調すると腎精が不足し、子供では成長の遅れ、成人では性機能の減退、足腰が弱り、物忘れがひどくなるなどの症状があります。

 ●主水は西洋医学と同じ意味合いになります。水分の代謝を調節し、必要なものは身体に取り込み、不要なものは排出する。

 ●納気とは肺が大気から吸い込んだ清気を腎に納めることをいいます。納気出来なくなると肺が吸入した気が腎に下がらないため、肺への気の出入りに支障が出て、息切れや呼吸困難になります。

こうして比較してみると類似点ももちろんありますが、『納気』のような視点は東洋医学ならではの考えです。

こうしてみると、単に腰が痛いとか、疲れやすいなどの症状が原因は腎臓にあるというケースは多々あります。

当院では身体の状態を触診検査や問診等で診断し、症状を引き起こしている原因にアプローチして治療を進めていきます。

当院のブログをいつも見て下さりありがとうございます!世間はコロナウイルスで混乱状態にありますが、今回は免疫についてお話したいと思います。

免疫系は通常、外来の異物は攻撃の対象にしますが、自分の細胞に対しては免疫反応を起こしません。この仕組みを自己(自分の細胞)と非自己(自分の細胞以外)の識別といいます。そしてウイルスや細菌などの異物(非自己)が体内に侵入してくると病原体と戦って体外に排出します。主に白血球が活躍して身体を守ってくれています。

免疫力が低下する要因として以下のものが考えられます。

⓵食生活の乱れ

②運動不足

③生活環境の変化(スマホやパソコンの多様化)

対策として次の2つをお勧めします。

⓵腸内環境を整える

免疫細胞の7割は腸にあり、腸自体が独自の神経系をもっているといわれています。これは脳からの指令を受けずに独自に活動しています。腸内の善玉菌を増やすために、乳酸菌飲料や味噌や納豆などの発酵食品、オリゴ糖や食物繊維を多く含むものがいいと思います。

おすすめの食品は「納豆卵キムチ」。卵はウズラの卵がサイズ的におすすめです。僕はほぼ毎日これを食べています。

②適度な運動

運動といってもなかなか時間が取れない、スポーツジムに行っても最初は続くけど、時間が取れなくなり、月会費だけ払って、お風呂だけ入りに行く(笑)こんな人も多いのではないでしょうか。または運動嫌いの人にとってはなかなか継続できないことが多いです。

そんな方におすすめは階段の昇り降りです。通勤途中の駅の階段など、とにかくエレベーターやエスカレーターを使わない。マンションにお住まいの方はすべて階段を使う!(1階や2階にお住まいの方はごめんなさい)毎日続けると足腰の強化に繋がりますし、トレーニングに時間を割く必要なし!日々のルーティーンに組み込めます!

物足りない方は階段を1段飛ばし、2段飛ばしして下さい。

この2つを実践するだけでも免疫には効果的だと思います。

今回は以上になります!最後まで読んで下さりありがとうございました!それでは失礼いたします。

いつもブログを見てくださりありがとうございます。今回は脂質についてです。

「脂質」は「糖質」「たんぱく質」に並ぶ3大栄養素の一つです。しかし、「脂質」=「油っこい食べ物」=「健康に悪い物」というイメージを持たれている人が多いのではないでしょうか?実は「脂質」と一口に言っても様々な物質の総称を指すものであり、その内容を細かく見ていくと一概に「健康に悪い物」とは言えない側面があります。 今回のコラムでは「脂質」を構成する主要要素である「脂肪酸」について解説します。

◎ 脂肪酸とは?

「脂肪酸」は「脂質」の主要な構成要素で、脂肪酸が他の様々な形体の物質と結びつくことで脂質を形成しています。脂肪および脂肪酸は体内で下記のような働きをする為、人の健康にとって欠かせない存在であると言えます。

・ 活動のエネルギー源

・ 人体の細胞膜、ホルモン、核膜などを構成

・ 皮下脂肪として臓器や外部刺激(寒さや物理刺激)からの保護(バリア機能)

・ 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収促進

◎ 脂肪酸の種類

脂肪酸は大きく分けて下記の4つの分類に分けることができます。

「飽和脂肪酸」

・ エネルギーとして使われやすく、体内で合成できる脂肪酸

・ 一般に過剰摂取になりやすく、過剰摂取は健康面でデメリットあり

・  常温で固体のものが多く酸化されにくい

・ 飽和脂肪酸のほとんどは動物性であり、体内に蓄積されて体脂肪になりやすい特徴があります。

・ 肉、乳製品(牛乳、バター)卵黄、チョコレート、ココナッツ、パーム油などに多く含まれる

「一価不飽和脂肪酸」

・ オメガ9系脂肪酸とも呼ばれる

・ 比較的エネルギーとして使われにくく、常温で液体の脂肪酸

・ オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに多く含まれる

・ オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など

「多価不飽和脂肪酸」

・ オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される

・ 体内で合成できない必須脂肪酸を含む

・ 魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、えごまなどに多く含まれる

・ リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など

「トランス脂肪酸」

・ 植物油を高温にする過程などで生成される脂肪酸

・ 健康に対するマイナス面が報告されている

・ マーガリン、ショートニング、加工油脂などに含まれる可能性がある

◎ 脂肪酸と健康

上記の3種の脂肪酸の特徴から、私たちが「脂質」を「健康に悪い」と感じるのは、食生活で「飽和脂肪酸」を取りすぎてしまうという事による健康上の弊害が、「脂質」という言葉の印象悪化に直結していると推測します。近年では特に海外で「トランス脂肪酸」が大きな問題となっておりこちらも「脂質」の不健康イメージを増長している可能性は考えられます。

逆に、脂質の一種にもかかわらずDHA、EPEは健康に良いイメージを持っている方が多いと思います。実際に必須脂肪酸と言われるこれらの物質は体内で合成できないためきちんと食事からとる必要があり、適量の摂取が健康上プラスになるという研究報告が多く出ています。

◎ まとめ

1.「脂質(脂肪酸)」は人体に必要な栄養成分

2.脂肪酸には4種類がある(「飽和」「一価不飽和」「多価不飽和」「トランス」)

3. 健康にプラスになるのは適量の「不飽和脂肪酸」

4.健康にマイナスになるのは過剰の「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」

今回は以上になります。最後までお読み頂きありがとうございます!