いつもブログを見てくださりありがとうございます。今回は脂質についてです。
「脂質」は「糖質」「たんぱく質」に並ぶ3大栄養素の一つです。しかし、「脂質」=「油っこい食べ物」=「健康に悪い物」というイメージを持たれている人が多いのではないでしょうか?実は「脂質」と一口に言っても様々な物質の総称を指すものであり、その内容を細かく見ていくと一概に「健康に悪い物」とは言えない側面があります。 今回のコラムでは「脂質」を構成する主要要素である「脂肪酸」について解説します。
◎ 脂肪酸とは?
「脂肪酸」は「脂質」の主要な構成要素で、脂肪酸が他の様々な形体の物質と結びつくことで脂質を形成しています。脂肪および脂肪酸は体内で下記のような働きをする為、人の健康にとって欠かせない存在であると言えます。
・ 活動のエネルギー源
・ 人体の細胞膜、ホルモン、核膜などを構成
・ 皮下脂肪として臓器や外部刺激(寒さや物理刺激)からの保護(バリア機能)
・ 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収促進
◎ 脂肪酸の種類
脂肪酸は大きく分けて下記の4つの分類に分けることができます。
「飽和脂肪酸」
・ エネルギーとして使われやすく、体内で合成できる脂肪酸
・ 一般に過剰摂取になりやすく、過剰摂取は健康面でデメリットあり
・ 常温で固体のものが多く酸化されにくい
・ 飽和脂肪酸のほとんどは動物性であり、体内に蓄積されて体脂肪になりやすい特徴があります。
・ 肉、乳製品(牛乳、バター)卵黄、チョコレート、ココナッツ、パーム油などに多く含まれる
「一価不飽和脂肪酸」
・ オメガ9系脂肪酸とも呼ばれる
・ 比較的エネルギーとして使われにくく、常温で液体の脂肪酸
・ オリーブオイル、菜種油、アボカド、タラ肝油、イワシ油などに多く含まれる
・ オレイン酸、ミリストレイン酸、エイコセン酸など
「多価不飽和脂肪酸」
・ オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類される
・ 体内で合成できない必須脂肪酸を含む
・ 魚油(青魚)、植物油(トウモロコシ油・大豆油・サラダ油等)、クルミ、えごまなどに多く含まれる
・ リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコペンタエン酸(EPA)など
「トランス脂肪酸」
・ 植物油を高温にする過程などで生成される脂肪酸
・ 健康に対するマイナス面が報告されている
・ マーガリン、ショートニング、加工油脂などに含まれる可能性がある
◎ 脂肪酸と健康
上記の3種の脂肪酸の特徴から、私たちが「脂質」を「健康に悪い」と感じるのは、食生活で「飽和脂肪酸」を取りすぎてしまうという事による健康上の弊害が、「脂質」という言葉の印象悪化に直結していると推測します。近年では特に海外で「トランス脂肪酸」が大きな問題となっておりこちらも「脂質」の不健康イメージを増長している可能性は考えられます。
逆に、脂質の一種にもかかわらずDHA、EPEは健康に良いイメージを持っている方が多いと思います。実際に必須脂肪酸と言われるこれらの物質は体内で合成できないためきちんと食事からとる必要があり、適量の摂取が健康上プラスになるという研究報告が多く出ています。
◎ まとめ
1.「脂質(脂肪酸)」は人体に必要な栄養成分
2.脂肪酸には4種類がある(「飽和」「一価不飽和」「多価不飽和」「トランス」)
3. 健康にプラスになるのは適量の「不飽和脂肪酸」
4.健康にマイナスになるのは過剰の「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」
今回は以上になります。最後までお読み頂きありがとうございます!
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